身代わり婚約者との愛され結婚
 あれから今日まででいくつもの茶会に参加したけれど、まるで何かに隠されているようにレヴィンの話もクラウリー伯爵家の現状も何も情報は入ってこなくて。

 そしてそれは、情報収集を頼んでいたジョバルサンからも同じ回答が来ていた。
 

「元気かしら」

 無茶なことしていないかしら。
 ちゃんと好きな甘い紅茶をゆっくり飲む時間を作れてる?


 いつの間にか噂すらも聞かなくなってしまったせいで、会えたなら聞きたいことはいっぱい溢れてしまっている。

 その質問全て聞けなくても構わないから――


「一目だけでも……」

 私は王城へ向かう馬車の中で、一人そう呟いたのだった。



“飾り付け、されてるわよね……!?”
 なんて、ドキドキしながら到着した王城。

 
 ホールに入る扉の前でゴクリと唾を呑んだ私は、私がエスコートもなく一人で入場しようとしていることに少し戸惑ったせいか一拍遅れて開けられたその扉の先の光景に呼吸すらも忘れるほど見入ってしまった。

 
「こんな……ことって……」


 ホールはカラフルな花が色ごとに飾られ、まるで幻想的な虹の中に入ったようだったのだ。

< 202 / 269 >

この作品をシェア

pagetop