身代わり婚約者との愛され結婚
“綺麗……!”


 一つずつゆっくり見たいのに、その余りにも美しい花たちに誘われるように小走りで足を進めた私はその可愛らしい花たちに囲まれ一気に気分が明るくなる。

 
 ホールへ一歩進んだ先はまるで元気に挨拶するかのような黄色い花。

 見ているだけで明るくなるその色合いに自然と笑顔が溢れ、心も気分も上げてくれた。


「ここからはオレンジなのね」

 可愛いオレンジのチューリップが並んだ先に見えるのはオレンジのダリアである。

 また、そのチューリップや薔薇の間を埋めるように小さな花たちが配置されていて。


“もっと図鑑で勉強しておくべきだったわ”


 もしここにレヴィンがいてくれたら、何の花だったのか教えてくれただろうことを想像し……いつか二人で見た時に、私だって知っているのだと得意気に話したいなとそう思った。

 きっとそんな他愛ない会話が、幸せだと感じるはずだから。


 緑や青、紫。そして真っ赤な薔薇がメインでありダンスホールも兼ねた中央広間を囲むように飾り付けられとても鮮やかだった。


“こっちにもまだ続いているわ!”

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