身代わり婚約者との愛され結婚
 そんな中央広間の奥、裏庭へ出るためのガラス扉を通り抜けると、芝で整備された庭園があって。
 
 庭園の中央には噴水もあり、ホールから漏れる光を反射しキラキラとまるで宝石のように見える。


「なんて美しいの」

 
 そんな噴水の周りを囲うように、庭園のいたるところには白い花たちが飾られていた。

 
“暗い外を白く彩っているから凄く映えるわね”


 少し薄暗くなりがちな夜に庭園が、噴水と白い花で幻想的な雰囲気になっており落ち着けるスペースになっていて。

「これ、全部クラウリー伯爵家が……」


 どうなるのかと心配していたことが恥ずかしいと感じるほど、あまり夜会に参加した経験のない私すら素晴らしい飾り付けで大成功だとそう実感させられた。


「でも、これどうなっているのかしら」

 どうしても暗くなると花びらは閉じてしまう。

 もちろん全ての花が光で閉じる訳ではなく、気温や日没によって閉じる花もあるが、その特性上、室内の飾り付けはともかく屋外の飾り付けには向かないとされていた。


 それなのに、この飾られている花たちは全て満開に咲き誇っていて。
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