身代わり婚約者との愛され結婚
「生花の美しさをプリザーブド、保存された花に加工したものです」
「プリザーブド、フラワー……」
「残念ながら生花のような香りはありませんが、その代わりこの美しさを何年も保つことが可能です」
「何年も!」

“だから咲く季節がバラバラの花たちが同時に咲いていたのね”

 そしてそれはつまり、それだけ前からクラウリー家はその技術を研究していたということで。

「ニークヴィスト侯爵家は当てが外れたってことなのね」
「今回間に合うかは賭けだったんですけどね」

 少しだけ困ったように眉を下げて笑ったレヴィン。
 そんな彼の笑顔がすごく懐かしくて、つい恥ずかしくなった私は視線を貰った絵画に戻し――

「あら?」

 ふとその絵画の中の自分の薬指に指輪のように小さな花が巻かれていることに気付く。

「この水色の花って」
「オキシペタルムです。花言葉は、幸福な愛」
「幸福な、愛」

 レヴィンの言葉にドキリと心臓が跳ねる。
 じわりと頬が熱を持ち、期待で胸が高鳴った。

 そんな私の頬をくすぐるように少し撫でたレヴィンは、そっと胸ポケットから小さな小箱を取り出す。
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