身代わり婚約者との愛され結婚
「エングフェルト公爵様もご存じの通り、我がクラウリー家は通行料が三倍になった関係で生花の事業から撤退することになりました」
「あぁ、そのようだね」

 二人の会話にギクリとする。
 それら全て、私が元凶でもあって――……

「ですが、だからこそ新しい事業が広がるキッカケになれるよう尽力する次第です」
「昨日の飾り付けも素晴らしいものだったよ」
「ありがとうございます」

 ペコリと頭を下げたレヴィンは、そのまま机に広げたアクセサリーをいくつか手に取って光に透かせた。

「生花を加工し作った昨日の花は、あの美しい状態を何年も保ちます」
「それはつまり、一度買ったら暫く買い直さなくていいということにならないかな?」
「その通りです。単価こそ上がるものの、長い目で見れば収益は落ちるでしょう。だからこそ他の事業も同時展開させます」

 説明しながら、光に透かせていたアクセサリーを私にそっと手渡してくれるレヴィン。

 受け取ったアクセサリーは、小さなお花が小さめの宝石と一緒にぷっくりとした透明のもので固められて作られていた。
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