身代わり婚約者との愛され結婚
 相変わらずくすくすと笑っているレヴィンが、オペラの話を聞いたという花屋にふと目を止めて。


「ティナにこちらを」

 ヒマワリの花を一輪買ったレヴィンが差し出してくれた。

「頬を膨らませているのも魅力的ですが、ヒマワリのような笑顔も見たいです」
「もう、貴方いつからそんなキャラになったの?」

 わざとらしいほどキザに振る舞ったレヴィンに私も思わず小さく吹き出しその花を受け取った。


“本当に花が好きなのね”

 一輪とはいえ、今日レヴィンから貰った花束が二つ。

 折角だから私もお礼を、と思うが何を買えば彼が喜ぶのかわからず、私もキョロキョロと見回して。


「あ」

 パッと目に飛び込んできたのは、カラフルな色が可愛いけれど大きすぎずレヴィンに渡すには丁度いいお花だった。


「これを一輪いただけるかしら?」
「ティナ?」

 にこりと店主に声をかけると、にこにことすぐに来てくれて。

「ポピーですね。どちらのお色になされますか?」
「そうねぇ……」 
 
 あるのは赤、ピンク、白に黄色。
 
“何色がいいかしら”
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