黒髪の眠りの聖女は永遠の愛を誓う
まだ無理かぁ。
エーデル王国の景色を見ながらシュンとする。
初めて歩く街並みのお散歩は、この気持ちのモヤモヤを少し忘れられそうなんだけど…。

「ミオ様…もう少し騒動が落ち着きましたらご案内いたしますので…」

「シエナ様が連れて行ってくれるの!? 本当に!? ありがとう!」

「ええ」

「嬉しいな」

「では兄に護衛をさせて私達は王都の街をデートいたしましょう。もちろん一番近くでミオ様の護衛を勤める者は私でございます」

「シエナ様とデート!楽しみだわ!」

シエナ様の両手を笑顔でキュッと握りしめる。

「……ック、か、可愛らしい…!」

「シエナ様?」

「い、いえ。心拍数が上がってしまいました。お気になさらず…」

あら? シエナ様の様子が変ね。
『聖女様』を見てたまに挙動不審になるところはアーロ様にそっくりかも。

「シエナ様とアーロ様はいつも仲が良いわよね」

「え、私と兄がでございますか? 私達はいつも喧嘩ばかりしておりますよ」

「喧嘩する程仲が良いとも言うわよ? 神殿長様やアーロ様へのアレンジメントもあるの。後でお届けしましょう」

「兄にもでございますか!? あの兄に渡すと花を愛でるというより、研究物として余すことなく調べつくします!せっかくのお花がもったいないですわ!やめておきましょう!」

「そうなの? フフッ」

何だかんだと言いつつ見ていれば仲の良さは分かるわ。
でもシエナ様は嫌そうな顔をしている。

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