黒髪の眠りの聖女は永遠の愛を誓う
本当に頼りにならないお父様ですわね!
外務大臣という役職を利用しないで何をなさっているの!?
ウィリアム殿下と年齢が近いご令嬢の中では私が候補にあがっていたはずなのに!
見目麗しいウィリアム殿下に憧れるご令嬢はたくさんいるわ。
私だって、あの長く美しい金色の髪を靡かせ優雅に歩く殿下を見てからずっとお慕いしていたわ。
殿下に見初めてもらえるように容姿を磨き、王妃になるべく教養も身につけ努力をしてきた。
いつお声が掛かってもいいように。
ウィリアム殿下は国内外のどのご令嬢とのお話でも、婚約者を決めることはなかった。
当然我がシャレー侯爵家からの話もしてあったはず。
ご年齢的にもそろそろ婚約者を決定されるだろうから、お父様に再度お話を通しておくように伝えていたのに!
なのに聖女様ですって!?
しかも、今まで恋人の話も聞いたことがないウィリアム殿下が国民の前でいきなりプロポーズをするなんて!
あのお美しい髪を短く切ったのは、プロポーズの前の決意の現れではないか?とも噂があるわ。
それ程までに聖女様をお慕いしているというの!?
お父様が早くお話を進めてくださらなかったからこんなことに!
「どうしましょう、お母様!聖女様だなんて私に勝ち目はないですわ!」
「……いいえ。婚約者となられた聖女様は『黒髪』なのよ。お母様に考えがあります」
「本当ですか!」
「このシャレー侯爵家から王妃を!それはあなたよ、フローレンス」
「お母様!ええ、必ず!」
外務大臣という役職を利用しないで何をなさっているの!?
ウィリアム殿下と年齢が近いご令嬢の中では私が候補にあがっていたはずなのに!
見目麗しいウィリアム殿下に憧れるご令嬢はたくさんいるわ。
私だって、あの長く美しい金色の髪を靡かせ優雅に歩く殿下を見てからずっとお慕いしていたわ。
殿下に見初めてもらえるように容姿を磨き、王妃になるべく教養も身につけ努力をしてきた。
いつお声が掛かってもいいように。
ウィリアム殿下は国内外のどのご令嬢とのお話でも、婚約者を決めることはなかった。
当然我がシャレー侯爵家からの話もしてあったはず。
ご年齢的にもそろそろ婚約者を決定されるだろうから、お父様に再度お話を通しておくように伝えていたのに!
なのに聖女様ですって!?
しかも、今まで恋人の話も聞いたことがないウィリアム殿下が国民の前でいきなりプロポーズをするなんて!
あのお美しい髪を短く切ったのは、プロポーズの前の決意の現れではないか?とも噂があるわ。
それ程までに聖女様をお慕いしているというの!?
お父様が早くお話を進めてくださらなかったからこんなことに!
「どうしましょう、お母様!聖女様だなんて私に勝ち目はないですわ!」
「……いいえ。婚約者となられた聖女様は『黒髪』なのよ。お母様に考えがあります」
「本当ですか!」
「このシャレー侯爵家から王妃を!それはあなたよ、フローレンス」
「お母様!ええ、必ず!」