14年分の想いで、極上一途な御曹司は私を囲い愛でる
「宮崎あやめと話すときに外してもらったことだ」

 座ってすぐに運ばれたジャスミンティーの茶器に彼は手を伸ばす。

「別に悪くないです。元々はあやめとのお見合いだったし、大事な話をしたんですよね?」

 ジャスミンティーをひと口飲んだ彼は茶器をテーブルに置く。

「ああ。そろそろ彼女の家に性格の不一致で断りの電話を入れると言ったんだ。あまり長くなれば宮崎家は期待するだろう?」

「あやめはなんて……?」

 また彼女に別のお見合いの話が行くのでは?

「仕方ないと言っていた。自分もそろそろ行動を起こす頃間とも」

「行動を起こすって、テツヤさんと……駆け落ち……?」

 今のところ、別れる雰囲気なんて微塵も感じられないし。

「どうだろうな。それはわからない」

「まだ宮崎家には延ばせないんでしょうか?」

 それであやめたちにゴタゴタがあったら、申し訳ない。

「そうだな……それは俺がこれからする行動は道理に反していることになるから無理だな」

「大和さんのこれからすることに?」

 意味が分からないが、家同士も関わってくることかもしれないので、私は何も言えない。

 そこへ三種類の前菜が運ばれてきた。

 ヘアサロンへ入る前にコーヒーショップでラップサンドを食べただけなので、おなかが鳴りそうなほど空いている。

「おいしそうですね」

「ああ。いただこう」

「いただきます」
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