14年分の想いで、極上一途な御曹司は私を囲い愛でる
 それから彼女はあらゆる手段でテツヤさんの出演情報を調べてライブを観に行っていた。

 テツヤさんも毎回客席にいるあやめを認識し、ふたりが恋人同士になったのは今年の三月だった。

 テツヤさんはあやめのことを最初は色々とプレゼントをくれるファンとしてしか見ていなかったようだけど、一途に応援してくれる彼女に惹かれていったらしい。

 今では客席にあやめの姿がないと落ち着かないと言っているくらいラブラブのふたりだ。

 まだ下っ端の芸人だけど、売れっ子になったら絶対に結婚しようと誓っており、あやめの存在が邁進する原動力にも繋がっているらしい。

 だが、あやめはテツヤさんの存在を両親には伝えられないでいる。

 若手芸人だなんてと、交際を反対されるに決まっていると思っているからだ。

「明日も、群馬のショッピングモールでライブがあるの。其れからこっちに戻って来て夜は下北でライブなの」

「だけど、明日はお見合いを設定されてしまった……ってことね?」

 ガーリックシュリンプを摘まんで口へ運ぶ。


 そこへ――。

 あやめが私の方へ身を乗り出す。

「紬希、一生のお願い! 私の代わりにお見合いへ行って!」
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