14年分の想いで、極上一途な御曹司は私を囲い愛でる
 顔の前で両手を合わせるあやめにあぜんとなって、口へ運んだガーリックシュリンプがテーブルの上に落ちた。

「ちょ、ちょっと待って! そんなの無理よっ」

 大きくかぶりを振りながらテーブルの上のエビを取り皿の上に乗せて、ティッシュで手を拭く。

「無理じゃないわよ。髪形や色こそ違うけど、高校の頃からよく似ているって言われていたじゃない。双子コーデでテーマパークへ行って本当に双子みたいってキャストに褒められたでしょ」

「それはメイクで双子に見えるように寄せたからでしょう? 今の私が現れたら別人ってわかっちゃうわよ」

「大丈夫! 大丈夫! メイク次第で変わるんだから。それに先方に渡した写真は成人式の着物姿なの。あのとき真っ赤な振袖に映えるように黒髪にしたから気づかれないわ」

「成人式の写真ってもう六年前のじゃない」

 そんな前の写真を先方に見せるなんて……。

「このお見合いを向こうから断ってくれるように仕向けてくれればいいの」

「仕向けるって、どんな風に?」

 こうやって聞いてしまえば受け入れざるを得なくなるのに、あやめの話に乗せられてしまっている。

「黒縁眼鏡もいいわね。それから高飛車な態度を取ってくれれば先方から断ってくるわ。男性ってそんな女性は願い下げだから。とにかく、私がお見合いへ行かなかったことがパパにバレないようにしたいの」

 いやいや、あやめ、あなたはけっこう高飛車よ……?
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