14年分の想いで、極上一途な御曹司は私を囲い愛でる
「あの男の言葉や行動を教えてくれないか? 覚えている限りでいい」

 彼はセンターテーブルに置いてあったメモ帳とペンを手にした。

「退勤前に給湯室でカップを洗っていたところへ突然西島部長が背後に立っていました。食事に誘われましたが断ると、両手首を持ち上げて壁に押し付けたんです」

 先ほどのことを口にするのは落ち着いた鼓動が再び暴れ出すが、話しておかなければならない必要なことだ。

話し終えると、大和さんは「この件はちゃんと処理すると約束する。紬希に不利になることは絶対にないから」と言って、メモ帳を閉じた。

 真摯な瞳で口にする彼を心から信じられる。

「そう言っていただけて、気分が晴れました。大和さんが信じてくれなくて、西島部長の言い分が通ってしまったらと思うととても怖くて……」

 ふいに大和さんの手が私の頭に置かれてポンポンと優しく撫でるように動かされる。

「俺があそこに居合わせることが出来たのは、送ったメッセージの返事がなかったから直接聞きに行ったんだ」

「え……」

「一緒に食事をしたかったから、紬希が社屋を出る前に捕まえたかったんだ」

 一緒に食事をしたかったから……?

 出張から戻って来てその日に食事だなんて本物の恋人のようだと頭をよぎるが、そんな期待は皆無だ。

「な、何かの魂胆で……?」

「魂胆?」

「ご両親から食事に行くように言われたとか……?」
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