14年分の想いで、極上一途な御曹司は私を囲い愛でる
 彼女はもう一度顔の前で拝むように合わせる。

「あやめ~……」

 お見合いなんてしたことないし、断られるように仕向けるなんて、私に出来るか不安だ。

「お相手は忽那大和さん。ニューヨークから一カ月前に帰国したばかりだって父は言っていたわ。写真は……あー忘れてきちゃったわ。とにかくまあまあだったわ。でも向こうの外見なんて関係なく、このお見合いをぶち壊してきてほしいの」

 破談にさせる相手なら向こうの外見なんて関係ない。

「ね? お願い。親友の一大事よ? 例え、先方が断らなくても紬希に責任はないから。私がお見合いの場へ行っていると父に思わせるのが最優先なの」

 あやめの恋は応援している。

 大事な親友が困っているのなら助けてあげたいと思う。でも、人を騙すなんて……。

「紬希、一生のお願いっ」

 今度はテーブルに両手をついて頭を下げるあやめだ。

 こんな風に困っている彼女を見るのは初めてで、私の胸に同情心が押し寄せてくる。

「お願いよ。私も紬希が困ったことがあったら絶対に助けるわ。好きな男性がいるから、お見合い相手と結婚なんて絶対に考えられないの」

 あやめは鼻を真っ赤にさせて号泣したのだ。

 泣くくらい切実なのだろう。

「わ、わかったわ! あやめのために先方に断られるように頑張ってくる」

「本当に?」

 ティッシュで目に溜まった涙を拭いている。

「うん。仕方ないわ。親友の頼みだもの」
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