14年分の想いで、極上一途な御曹司は私を囲い愛でる
 大和さんは自嘲気味に口元を緩ませる。

「苗字が溝口だったらすぐにわかったのに。私の初恋の人だもの」

「初恋か……俺もそうだよ。紬希の印象が強くて、他の女は好きになれなかった。再会して紬希と会うたびに愛おしさは募っていった」

「本当に……? 私を愛している……?」

「ああ。両親は俺に早く結婚をして幸せになり、孫の顔を見せてほしいと願っていて見合いを設定したが、無理強いはされていない。宮崎家からの縁談話だ。断るつもりで待っていたのに信じられないことに紬希が現れた。しかもかわいい演技をし始めたから楽しくてね」

 思い出し笑いをし始める大和さんに、あのときの演技を思い出すと顔が熱くなるほど恥ずかしい。

「で、でもどうしてすぐに私だとわかったの?」

「帰国してから興信所に捜してもらっていたんだ。万が一、恋人がいたり結婚していたら諦めるつもりで。一カ月かかって見合いの前日に報告書が届いて驚いたよ。まさか同じ会社で働いていたとはな。しかも独身で調べた限りでは恋人の存在はなく、うれしかったよ。月曜に会いに行くつもりだった」

 捜してくれるほど会いたいと思ってくれていたなんて……。
 喜びとあの頃の甘酸っぱい気持ちが蘇り、胸がギュッと締めつけられる。

「……ありがとう。大和さん」

「大和君からもう大和さん?」

 そう言って、彼は破顔する。
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