14年分の想いで、極上一途な御曹司は私を囲い愛でる
 中学生の頃もイケメンだったけれど、十三年の年月は気づかないくらいの美丈夫になっていて、お見合いのときは俺様で本当に嫌な男だと思った。

 でも、翌日の遊園地では俺様ではなく、何気なく気遣ってくれ、童心に帰ったように楽しむ人で、そんな彼と一緒にいることがしだいに気にならなくなった。
 
 二年前のセクハラで自分を偽って生きているのがバカらしくもなっていって、元の自分に戻る決心も出来た。
 そして惹かれていた気持ちが愛にいつの間にか変わっていることに気づいた。

「もう大人ですから、大和さんです」

 笑いながら彼の手が私の手を握る。恋人繋ぎで、ドクンと心臓が跳ねる。

「白状すると、遊園地で父の秘書が確認する話は嘘だ」

「嘘……? あの男性は?」

「知らない。適当に見繕った人だ。おそらく乗り物に乗っている家族を待つ父親だな」

 ドキドキしながらその男性を盗み見たあの時のことを思い出し、笑いながら呆れて見せる。

「おかしいだろ? 俺もそこまでして紬希と一緒にいたかったんだ」

「呆れちゃうし、ぐうの音も出ませんが、ずっと忘れないでいてくれ、また私と一緒にいたいって思ってくれたことが心からうれしいです」

「昨日の夕食も予約は父ではなく俺がした。会いたかったんだ」

「クスッ、もう……どんな顔をしていいのか……わからないです」
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