14年分の想いで、極上一途な御曹司は私を囲い愛でる
《お見合いに紬希が現れた最初から知っていたのに、それまで黙っていたなんて鬼畜ね。でも公園で告白するなんてロマンチストだわ。それに筋を通す人ね》

「筋を通す人?」

 意味が分からなくて困惑気味に尋ねる。

《破談の連絡を入れてから、紬希にプロポーズしたことになるもの》

「今思うとちゃんと考えてくれていたんだなって。私もここを引き払って、大和さんのマンションに引っ越しをすることになったの」

《紬希、愛されているわ。結婚前の同棲ね。良かったじゃない。初恋が実ったのよ? しかもアヒルから白鳥になった王子様と》

「アヒルって、中学の頃の大和さんもかっこよかったわ」

《経済的にってこと。私はこれから茨の道で、紬希は平穏で何も心配のいらない幸せな道に進むのね》

 笑い声が聞こえる。

「平穏かな……、まだ両親に話していないし、大和さんのご両親にもご挨拶もしていないし。まだ不安ばかりよ。あやめなら茨の道もすぐに変わると思う」

《たしかにそうね。がんばって。紬希なら大丈夫よ》

 私たちはお互いを鼓舞して電話を終わらせた。その途端に大和さんからの着信音が鳴った。

 通話をタップして出る。

「もしもし、大和さん」

《紬希はもう自宅か?》

「うん。少し前に着いたら、あやめから電話があって話していたの。あやめ、テツヤさんと入籍して家を出たんです」

《行動をそろそろ起こすって言っていたやつか》
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