14年分の想いで、極上一途な御曹司は私を囲い愛でる
 翌朝、目を覚ましたとき、ずっと夢を見ていたようでぐっすり眠れていなく疲れを感じていた。

 待ち合わせの時間は、東京のシンボルタワーの近くの五つ星高級ホテルのレストランに十二時。

 いつも会社へ行くときの地味子の姿でお見合いをするので特に念入りに支度をする必要もなく、今は八時なので時間に余裕はある。

 上体を起こしたものの、現実逃避したくて布団の上にもう一度横たわり体を丸めて目を閉じる。

「……」

 目を閉じてもこれからあやめのお見合い相手と会ったときのことを考えてしまい、眠れない。

「もうっ、起きよう」

 目をパチッと開けてガバッと起き上がった。


 
 メトロでお見合いの場であるレストランのあるホテルへ向かい、最寄り駅で降りる。

 東京のシンボルタワーがすぐ近くに見える。東京生まれで東京育ちなのに、近くまでは来る機会はあったものの、一度も展望台へは上ったことがない。

 今日はすっきりとした晴天で、暑いくらいだ。

 髪は普段通りにうしろでひとつに結び、黒縁眼鏡をかけており、黄色の幾何学模様の入ったブラウンの半袖のワンピースを着ている。

 このワンピースはあやめの服で、彼女は私より五センチ背が高い。

 あやめだったら似合うはずだけれど、私が着るとスカート部分の長さが足首近くになっていて野暮ったく見えるだろう。

 彼女は昨晩持参していて、ワードローブの中で一番地味なワンピースだと言った。母親が買ってくれたものだが、好みに合わず一度も袖を通していないらしい。

 ブランド物のワンピースは上質で着心地が良い服を着ているのに、支度をしている最中から気持ちは落ち着くことがなかった。
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