14年分の想いで、極上一途な御曹司は私を囲い愛でる
「かわいそうに……。証拠もなく、涙をのんだんですね」

「彼女の異動願に西島も安堵しただろう。冷めるから飲んで」

「はい。いただきます」

 軽く頭を下げてカップを口につける。

 買いに行ったのは大和さんではないと思うけれど、私好みの味で笑みを深める。

 昨日西島部長を呼び大和さんを含め、法務部部長とともに事情を聞き、チャンさんと私の件のセクハラを認めたと言った。

 会社を辞めるか、紅茶事業のスリランカにある工場へ異動かを提示し、選択させることに決まった。

 会社を辞める場合は懲戒解雇になり、次の就職先も探すのが大変になる。家族がいるので、この件は内密に済ませてほしいと懇願され、スリランカの工場へ行くことになったと大和さんは話してくれた。「辞めさせられずにすまない」
 大和さんが頭を下げるので、慌てて手と首を振る。

「迅速な対応に感謝しかありません。ありがとうございました。二年前のときに色々と調べ、裁判になったとき会社側が負けることもあったので、この処置は最適だと思います」

 しっかりと法務部が入っているので、念書などを書かせていると思われるが。

「他に被害者を出さないためにも、給湯室できっぱり西島を非難した紬希のおかげで、チャンさんの件が発覚したんだ。彼女にも処遇を伝えたら喜んでいたよ。じゃあ、仕事があるだろう。行って良いよ」
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