14年分の想いで、極上一途な御曹司は私を囲い愛でる
「この件は総務課の課長に話してもよろしいでしょうか?」

「ああ。かまわないよ」

「わかりました。それでは、失礼いたします」

 ソファから立ち上がり、お辞儀をする。

「まだ入っているだろう? カップは持っていって」

 大和さんがカップを取ってくれ手渡される。

「ありがとうございます」

「引っ越し準備がんばれよ」

「はい」

 カップを受け取って、入り口近くのデスクにいる男性秘書に会釈してから専務室をあとにした。

 この週末、大和さんは社長とゴルフコンペを含めた接待旅行で宮崎県へ行くので、会えない。だけど、部屋の片づけが出来るのでそれも悪くない。引っ越し業者から段ボール箱が届くので荷物整理をする予定だ。

 そっけない挨拶になってしまったから、あとで【いってらっしゃい】のメッセージを送ろう。

 廊下を進み受付カウンターの女性に軽く頭を下げて、エレベーターを待つ。

 エレベーターがやって来て、中から若い女性が出てきた。スラリとしていて目を引く美人だ。

 社員のIDカードの紐はブルーだが、その女性は赤なのでゲストのようだ。

 女性が降りたエレベーターに乗り込み、ドアが閉まる前、「忽那社長と約束をしています」と聞こえた。

 総務課に戻って課長に「今よろしいでしょうか?」と声をかけ、五階にある小会議室で先ほどの西島部長の件の報告をした。
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