14年分の想いで、極上一途な御曹司は私を囲い愛でる
 たしかにほんのわずかな滞在時間だけでは両親に申し訳ない気持ちもある。
 大和さんの気持ちも汲んで、甘えることにした。


 伊丹空港に十時過ぎに到着したのち、タクシーで繁華街へ向かう。天気が良いのでそれほど寒く感じない。

 コインロッカーに荷物を預けて道頓堀近辺やリバークルーズ、その間に串カツやたこ焼きを食べて、ぶらついていると十五時に。

 ホテルへ行き、チェックインを済ませてシャワーを使ってから部屋で着替える。
 このホテルから自宅まではタクシーで二十分くらいだ。
 支度を済ませると、大和さんが私を見て口元を緩ませる。

「どうして笑うんですか?」

「いや、かわいいなと。素敵なツーピースだ」

 ジャケットの下は半袖のワンピースで、スカートはほどよく広がるAラインになっている。

「こんな色を着るのは久しぶりなので、照れくさいです」

「俺のイメージは明るい色を着た紬希だよ。制服姿しか見ていなかったけどな」

 大和さんは紺色のスーツに淡い黄色のネクタイをしめている。

 彼のスーツ姿を見たのはロビーと助けてくれたときと、報告を受けたときの三回で、仕事中だったのでまじまじと見られなかった。

 助けてくれた後の食事もじっくり見る余裕がなかった。

 こうしてみると、バランスの取れたモデル張りの体躯にスーツは見惚れるくらい素敵で似合っている。
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