14年分の想いで、極上一途な御曹司は私を囲い愛でる
「中学の制服からスーツになった大和さんを見ると、大人になったんだな~と、しみじみ思います」

「まあな。もう十四年経っているんだから、成長していないとな。さてと、行こうか」

 大和さんは笑って私の肩に触れると、ドアに促した。

 
 ホテルのエントランスからタクシーに乗り込み、自宅へ向かう。

 タクシーの中では隣に座る大和さんの言葉が少なくなった。

「大和さん、緊張していますか?」

「ああ。自分でも驚いているくらいにな。普段どんなにすごい人物と仕事で会うときや、プレゼンなどもまったく緊張しないが、今日だけは違う」

「大和さん……」

「大事な紬希の両親に会うんだから、仕方ないな。気に入ってもらえるだろうかと不安になる」

 彼は小さく笑みを浮かべて、私の手を握った。

「大和さんが緊張する必要はないです。もちろん両親は気に入ってくれますよ。私にはもったいないくらいの人なんですから。あ、もうそろそろ着きます」

 車窓から実家のあるマンションが見えてきた。

 マンションは十階建てで、高いところが苦手な母なので、二階を選んで住んでいる。

 大和さんの手には東京から持ってきたお土産と、大阪を歩いていて見つけたおいしそうなケーキのショッパーバッグがある。

 自宅に案内してインターホンを鳴らしてすぐ笑顔の母が現れた。

「お母さん、ただいま」

「おかえりなさい。まあ、こんなに素敵な方だなんて……」
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