14年分の想いで、極上一途な御曹司は私を囲い愛でる
 今まで料理をしていなかった彼女なのに、ふたり分の料理の写真をアップしていた。【おいしそう】とコメントを入れていると、たっぷり眠ったはずなのに眠気がやってきて、スマホをサイドテーブルに置いて目を閉じた。


 翌朝、スマホのアラーム音で目を覚まし、隣で寝ている大和さんの眠りを妨げないよう急いで止める。
 そっとベッドから抜け出そうとしたところで、腰に大和さんの腕が回る。

「おはよう」

「おはよう、え? きゃっ」

 彼は自分の方に引き戻し、私の首元に顔をうずめる。

「いい香り」

 肌に唇が触れる。

「眩暈はないのか?」

「うん。たくさん眠ったから良くなったみたい」

 笑顔を向けると、鼻に軽くキスが落とされる。

「良くなったのはうれしいが、病院は行くんだからな」

「午前中に行って、午後出社にしようと思ってる」

「紬希」

 ふいに大和さんは真面目な顔になって口を開く。

「今週金曜からニューヨーク出張しなければならなくなった」

「え? ニューヨークへ?」

「ああ。どうしても俺と出なければ契約をしない取引先があって、商談しに行かなければならなくなったんだ。一緒に住み始めたばかりなのにすまない」

「ううん。お仕事なんだから謝らないで」

「俺が、紬希がそばにいないで寂しいんだ。紬希は寂しくないのか?」

「もちろん大和さんよりもっと寂しいですよ」
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