14年分の想いで、極上一途な御曹司は私を囲い愛でる
 うんざりしたみたいな大和さんに、寂しい気持ちが少しだけ軽くなった。


 病院で自律神経や聴力、血液検査を受けた。
 血液検査の結果だけは一週間後だけれど、その他は問題なくホッとした。
 その旨を大和さんへメッセージを送り、会計を済ませてから会社へ向かった。

 駅に着いてスマホを見ると、彼からメッセージが入っていた。

【とりあえず良かった。ランチ、こっちで食べないか?】

 こっちって、専務室……?

【戸惑っているのか? 会社に着いたらそのまま来ればいい。弁当を用意しておくから】

 会社に到着する時刻はお昼休みを少し過ぎてしまうので、近くのコーヒーショップで食べようと思っていた。
 大和さんが誘ってくれるのは、突然の出張の埋め合わせなのかもしれない。

【わかりました。これから向かいます】

 メッセージを送って、電車に乗り込んだ。


 社屋に入ってセキュリティゲートを通り、直接重役フロアへ行くエレベーターに乗り込む。
 待つ間や乗り込む際、知り合いに見られないかドキドキしてこれでは不審者みたいだ。

 二十五階に到着して、前回ここへ来たときとは別の女性が「どうぞお進みください」と言ってくれたが、何か棘があるような言い方だった。
 女性社員が専務に何の用なのかと解せないのだろう。

 専務室のドアをノックすると、大和さん自らが出迎えてくれる。

「入って」
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