14年分の想いで、極上一途な御曹司は私を囲い愛でる
「大和の話です」

 嫌な予感は的中してしまったみたいだ。
 聞きたくないけれど、こうなったら聞かなくてはならない。

「わかりました」

 私の返事に満足したように彼女は微笑して歩き始めた。


 社屋を出た隣のビルの一階にカフェがあり、店内はビジネスマンの姿が数人しかいない。
 何を話されるのか気になりすぎて飲み物を飲む気にもなれないが、入ったからには注文しなくては。
 ウエイトレスがやって来て、彼女はブラックコーヒーで私はカフェオレを頼む。

「ご用件を言ってください」

 幸い周りには誰もいない。

「大和と私は以前婚約する前までいった仲なの」

 驚きすぎて言葉を失った。

「私たちは幼馴染よ」

「それは……ニューヨークで……?」

「ええ。学校も大学まで同じで、両親同士が仲良くていつも行き来していたわ」

 目はアーモンド形、鼻筋は外国人の血が入っていて頬骨共に高く、ルージュを塗っている唇はぽってりと目を引き、見れば見るほど美人だ。
 こんなに綺麗な人と大和さんが幼馴染で、婚約寸前まで……。

「どうして婚約しなかったのか気になるでしょう?」

 そこへウエイトレスが飲み物を運んで来て、彼女は口を閉じる。飲み物の入ったカップを置いて去って行って話し始める。
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