14年分の想いで、極上一途な御曹司は私を囲い愛でる
「大和は乗り気だったけれど、私がファッションの勉強をしたくてパリへ留学を決めたことで婚約は保留になったの。でも、私は大和のパートナーになるために戻って来たわ」

「……どうして私のことを?」

 カップを美しい所作で持ち飲んだ優里亜さんはふっと笑みを漏らす。

「それは調べたからに決まっているじゃない。同居を始めたことも知っているわ。でも、あなたは大和に何をしてあげられるかしら?」

「何をしてあげられる……?」

 質問の意図が分からなくて当惑する。

「父はアメリカの大手銀行のトップなの。大和が私と結婚したら光圀商事にとって最大の強みになるわ。忽那のおじさまにも先日お会いして、この件は私に任せると言って下さったの」

 あの時……? 彼女に任せるって? 
 私は大和のお義父さんに結婚相手として認められていないってこと……?
 心臓が嫌な音を立てる。

「……私たちは結婚を約束しています」

「それくらい知っているわ。でも、あなたが大和に今後プラスになるかって言っているの。マイナスにしかならないわよね?」

 私は彼のプラスになれないのは充分わかっている。けれど……愛してくれている。

「愛があればどんな困難にも負けません」

 そう言った瞬間、優里亜さんは口元に手をやって、声を抑えて笑う。

「ほん、ふふっ、本当にそんな子供みたいなことを言っているなんて、あなたの脳内はお花畑なのね」
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