14年分の想いで、極上一途な御曹司は私を囲い愛でる
 どうしても笑いが止められない様子で、美人はそんな顔をしても綺麗なのねと俯瞰視点で見てしまう。

〝愛があればどんな困難にも負けない〟

 言った本人が疑問なのだから。

「大和は私が留学から戻ってくるのを待っていたの。でも、向こうのファッション雑誌で働くことになってニューヨークに戻れないでいるうちに、愛している私の代わりを見つけたってわけ」

 美麗に微笑みを浮かべた彼女は上品にカップを持って口に運ぶ。

「そ、そんなことありません」

 私は優里亜さんの身代わりだったの……?
 彼女の言葉を否定するも、不安がどす黒い色になって広がっていく。

「大和は明日からニューヨークよね? 私も戻るの。向こうへ行ったら私はもう二度と彼を離さないから」

 動揺しているが、大和さんを信じたい。

「……あなたか、私か……彼が決めることです」

「あら、余裕なのね。それなら向こうでふたりだけの写真を送ってあげるわ。アドレスを交換しましょう。嘘だと思っているのなら、私に教えられるわよね?」

 大和さんを信じる。ここでアドレスを教えなかったら怖気づいていると思われて、気持ちが負けてしまう。

「わかりました」

 バッグからスマホを取り出して、お互いのアドレスを交換した。


 スーパーマーケットで買った水炊きの材料の入ったエコバッグをキッチンの作業台に置く。

 優里亜さんとはアドレスを交換してからすぐに店を出た。
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