14年分の想いで、極上一途な御曹司は私を囲い愛でる
 結局のところ、号泣した目は赤く腫れあがり遅刻することに。
 保冷剤で目を冷やして出社したが、頭に霧がかかった様な状態で大和さんのことばかり考えてしまっていた。
 集中力のないこの状況で、ミスなく業務をこなせて良かった。

 帰宅後、今日一日中考えていたことを告げようと決心し、スマホを持ってリビングルームのソファに腰を下ろした。

 ニューヨークとの時差は十三時間。
 向こうは朝で、今なら電話に出られるかもしれない。

 心臓を暴れさせながら、メッセージアプリの大和さんのアイコンを押して、電話をかけた。
 呼び出し音は五回ほど鳴って少し低めの声が聞こえてきた。

《紬希から電話してくれるの、めずらしいな》

「……今話して大丈夫?」

 もしかしたら優里亜さんが一緒かも知れないと脳裏をよぎるが、変わらない彼の口調なのでひとりなのかも。

《ああ。どうした? 声が変だな》

「私たち……」

 そこまで口にしてその続きが言えない。

《私たち? 様子がおかしいな。何かあったのか?》

「……私たち、別れましょう」

 言い切った瞬間、電話の向こうで息をのむ声がした。

《は? いったい何を言っているんだ? もっとおもしろい冗談にしろよ》

「冗談じゃないわ。入籍も済ませていないし、私がここを出て行けば済むことだから」
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