14年分の想いで、極上一途な御曹司は私を囲い愛でる
「紬希」

 何を考えているのかわからない表情で大和さんが歩を進めてくる。
 こちらへやって来る彼を見ていた瞬間、グイッと引き寄せられて抱きしめられていた。

「すまない」

 すまない……って?

 その意味がわからず、大和さんの腕の中で身をこわばらせていると、ふいに顔がぼやけるくらいに近づき、荒々しく唇が塞がれた。

「だ、だめっ!」

 即座に私を夢中にさせてしまう彼のキスから逃れようと、広い胸を押して離れる。

 そしてポケットのスマホを出して、優里亜さんからの写真を表示させて見せる。
 決定的なふたりがベッドにいる写真だ。
 すると大和さんは首を左右に振りながら、深いため息を漏らす。

「俺が浮気すると思っているのか? こんなに紬希に夢中なのに」

「どう見ても浮気写真じゃないですか」

 写真を見ても驚いていない様子だ。

「彼女から婚約寸前までいった関係だと聞いてるの。愛していたんでしょう? 私よりも優里亜さんの方が大和さんに相応しいわ」

「優里亜が俺に相応しい? ありえない」

 きっぱり言い切る大和さんだが信じられず、疑いの目を向ける。

「とりあえず掛けて。ちゃんと話をする」

 手を引かれてシンプルなグレーのソファに座らされ、大和さんも隣に腰を下ろし、足を組んで体を私の方に向ける。
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