14年分の想いで、極上一途な御曹司は私を囲い愛でる
「喉が渇いたな。近くのカフェで飲み物を買ってから行こう」

 来た道を引き返して、駐車スペースの道路の向こう側にカフェがあり、私たちはその店に向かった。

 テラス席もあるカフェに入り、カウンターで彼は私に何を飲むか尋ねる。

 このカフェの一押しとあった、生クリームたっぷりのアイスカフェラテを頼み、忽那さんはブラックコーヒーのアイスをオーダーした。

 お財布を出した私に、忽那さんは首を左右に振る。

「紬希は言わば雇われているんだから、俺と会っているときは金を払わないでいいから」

「でも……」

 私の「でも……」の言葉を忽那さんは無視をして、カウンターで渡されたふたつのカップを持ってカフェを出る。

 とりあえず今のところは良いかと、彼を追った。

 車まで戻り、忽那さんは助手席側のルーフにふたつのカップを置き、ドアを開けて私を促す。

 助手席に座ってシートベルトを装着するところまで彼はその場にいて、終わると生クリームたっぷりのアイスカフェラテのカップを手渡ししてくれた。

 助手席のドアを閉め運転席に回ってくる忽那さんはブラックコーヒーを飲みながらやって来る。

 どんなことをしていても絵になる人っているのね。

 そんなことを考えているうちに、彼は運転席に落ち着き、エンジンをかけた。

 発進すると思っていた私は木のスプーンで生クリームを口へ運ぶが、視線を感じて彼の方へ顔を向けると目と目が合った。
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