14年分の想いで、極上一途な御曹司は私を囲い愛でる
 少し休もうとスマホを持ってベッドに横たわった。

 忽那さんに切られた電源を入れて起動させると、あやめから四回着信が入っていた。

 心配しているのね。

 あやめにかけようとしたところへ、彼女からかかってきた。

「もしもし」

 体を起こしてベッドの上に座る。

『もーぅ、紬希大丈夫なの? ずっと電源落とされているし、心配したんだから』

 気を揉ませてしまったみたいだ。

「ごめんね。三十分前に帰って来たの。ちゃんと話すから」

 最初からあやめではないとバレていたことから、忽那さんが彼女に契約結婚をしてもらおうかと考えていたこと、そして私に恋人のフリをしてほしいと頼まれたことを話した。

 頼まれたというよりは命令に近いが。

『どんな男だったの? 電話の声はなかなか良かったわ。癪に障る態度だったけど』

「どんな男って……数時間なんだからわからないよ」

 父親が社長だからと言って実力がなければ専務取締役になんてなれないだろう。かっこいいだけじゃなくて仕事も有能な人なのだろうと推測できる。

『でも、恋人のフリだなんていいの?』

「首つっこんじゃったしね。あ! 忽那さんが光圀商事の専務取締役だってわざと言わなかったでしょう?」

『そうだったわ。紬希も同じ会社だったわね? すっかり忘れていたわ』

 あやめの口調がわざとらしくなって、確信犯だなと思ったが、彼女も背に腹は代えられなかったのだろう。
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