14年分の想いで、極上一途な御曹司は私を囲い愛でる
 手を握られても嫌だとは思わなかった。

 乗り物に乗ってシューティングのアトラクションでも、思っていたよりも楽しくシューティングシートに揺さぶられながら夢中になって目標に打ち、終わったときには腕が疲れていた。

 点数を競うゲームで、大和さんは最高得点をたたき出していた。

「はぁ~、上手なんですね。この遊園地に何度も来てやっていたとか……?」

「ここに来たのは初めてだ。向こうで銃の扱い方は習ったよ。まあ、まったく違うものだけどな」

「え? 初めて?」

 彼はなんでも出来てしまう稀にいる万能な人なのかも。

「じゃあ、次はアイスだな」

 売り場へ足を運び、私がアイスを選んでから近くにある簡易的な丸テーブルに座っているように言われて大和さんから離れる。

 空いているテーブルの椅子に腰を下ろして、辺りを見回す。

 近くに家族連れが何組もいて賑やかだ。

 こんな時間を過ごすのは初めて……。

 大学生のとき、アルバイトがない日には遊びに行くこともあったが、転職してからの休日はほとんど家にいるか、カフェ巡りをするくらいになっていた。

 今まで遊園地へ行きたいと思ってもなかった。それは、彼と過ごす最後の日に遊園地を予定していてやむをえず約束を破るしかなかったせいで、心の奥底で封印していたせいなのかもしれない。

 それが同じ名前の人と遊園地に来ちゃうなんて……。

 行き先を知らされていたら断っていた。

 いつまでも淡い初恋を心に留めておかずに、好きな人を見つけるべきなのかもしれない。
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