14年分の想いで、極上一途な御曹司は私を囲い愛でる
 残り二分でボート乗り場に到着して、スワンボートから降りて桟橋に脚をつけた瞬間ふらつく。

 よろけそうになったところを、先に降りていた大和さんに腕を掴まれる。

「大丈夫か? 歩ける?」

「はい。ちょっと脚に力が入らなくて。明日は筋肉痛決定ですね」

 またよろめかないよう気遣う力強い腕に支えられて、車まで戻った。

 助手席に乗せられると、「ちょっと待ってて」と言って彼は車から離れて、カフェラテのペットボトルを買って戻って来た。

 運転席に座った大和さんはペットボトルを渡してくれる。

「ありがとうございます」

 彼はキャップを開けてブラックコーヒーを飲む。

「そろそろランチにしよう。運動したから腹が減っただろう?」

 ペットボトルをドリンクホルダーに置いて、大和さんは車を動かし目的地に走らせた。


 近くの音楽美術館でマッシュルームソースのかかった甲州ワインビーフのハンバーグのランチを雰囲気の良いテラスで食べる。

 何種類もの花が咲いている美しい庭園を眺めながらの食事に舌鼓をうち、ゆったりと楽しむ。

「素敵なところですね」

「意外とのんびり出来てなかなかいいな。そうだ、ここでサンキャッチャーが作れるらしい。あとで行ってみないか?」

 サンキャッチャーはクリスタルパーツを繋げたものを部屋に飾ることで、太陽と共に良い気を取り入れられると言われているものだ。

「以前から気になっていたので、作ってみたいです」

「そうしよう」

 彼は美しい所作でハンバーグをナイフで切って口へ運んだ。
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