14年分の想いで、極上一途な御曹司は私を囲い愛でる
 その他にもフライドチキンと円い揚げパンのようなものに粉砂糖がかかっているドーナツのようなものがある。

「これはドーナツ?」

「そうね。向こうではマラサダっていうの。食べましょう」

「いただきます!」

 両手を合わせてから、あやめが取り分けてくれたガーリックシュリンプから口に入れる。大きめのエビなので、手で食べる。

 あやめも同じくガーリックシュリンプを食べ始める。

「んっ、おいしーい」

 味わうようにゆっくり咀嚼し、笑みを深める。

 アヒポキにはすべての具材がサイコロ上になっていて、その中にアボカドも入っていてご飯の上に乗っている。

 一口食べて、ごま油と醤油の味が口の中に広がる。アボカドのところはクリーミーでお米とも合ってどんどん進む味だ。

「あ、そうだ。帰りがけにあやめの好きなプリン買ってきたの」

「ありがとう。あそこのプリンね?」

「そうそう。もう残り少なかったけど買えて良かったわ。私はマラサダもプリンも食べられそうよ。あやめは?」

「……」

 あやめの次の言葉を待っていたが、彼女は困惑した表情で言い淀んでいる。

 そんな姿は始めて見る。

「あ、おなかいっぱいだったら持って帰ってね」

 うちでは食べられそうもないのかと考えてにっこり言ってみると、あやめは困惑していた表情から深刻そうな顔つきに代わる。

 急にいつもの彼女とは違う人になってしまったみたいで当惑する。

「……どうか……した……?」

 あやめは深呼吸をしてから「実はね……」と切り出した。
< 9 / 208 >

この作品をシェア

pagetop