ブランカ/Blanca―30代女性警察官の日常コメディ
第19話 簀巻きと香水とパイナップルと
午後九時十二分
私は今、中山さんの部屋で簀巻きになっている。
羽毛布団の端に寝て、布団を巻き込みながら転がしてくれたのは葉梨だ。
今回は体力の回復が遅く、体が寒くて仕方ない。
私は簀巻きのまま体育座りをして、ベッドに腰掛ける葉梨に後ろから抱えてもらっているが、後輩にこんな事をさせるのは申し訳ないと思いつつ、寒いものは寒いからお願いをした。
私の部屋はエアコンの温度を上げているが、中山さんの部屋は冷えている。
熊の葉梨が室内に入れば室温が上がるかと思ったが、そんなでもなかった。葉梨を見ている分には暑苦しかったが、体は寒いままだった。
中山さんは既に体力の回復が済んでいて元気だ。普段通りに私の部屋へ忍び込んで私のベッドで寝ていた中山さんを凄いなとは思うが、迷惑な事には違いない。
中山さんは向かいのソファに座り、私には見せた事の無い笑顔で葉梨と話をしている。二人は約一年ぶりに会えたという。
中山さんにとって葉梨は可愛い弟なのだろう。岡島も葉梨を可愛がっているが、中山さんはそれ以上だ。中山さんがこんなに優しげな笑顔が出来る人だとは思わなかった。
「まさか中山さんのペアが加藤さんだとは思わなかったです」
「そう? ふふっ」
その時、ドアがノックされた。
私は葉梨から離れようとしたが、それを中山さんが手で制して来訪者に返事をした。
私は今、中山さんの部屋で簀巻きになっている。
羽毛布団の端に寝て、布団を巻き込みながら転がしてくれたのは葉梨だ。
今回は体力の回復が遅く、体が寒くて仕方ない。
私は簀巻きのまま体育座りをして、ベッドに腰掛ける葉梨に後ろから抱えてもらっているが、後輩にこんな事をさせるのは申し訳ないと思いつつ、寒いものは寒いからお願いをした。
私の部屋はエアコンの温度を上げているが、中山さんの部屋は冷えている。
熊の葉梨が室内に入れば室温が上がるかと思ったが、そんなでもなかった。葉梨を見ている分には暑苦しかったが、体は寒いままだった。
中山さんは既に体力の回復が済んでいて元気だ。普段通りに私の部屋へ忍び込んで私のベッドで寝ていた中山さんを凄いなとは思うが、迷惑な事には違いない。
中山さんは向かいのソファに座り、私には見せた事の無い笑顔で葉梨と話をしている。二人は約一年ぶりに会えたという。
中山さんにとって葉梨は可愛い弟なのだろう。岡島も葉梨を可愛がっているが、中山さんはそれ以上だ。中山さんがこんなに優しげな笑顔が出来る人だとは思わなかった。
「まさか中山さんのペアが加藤さんだとは思わなかったです」
「そう? ふふっ」
その時、ドアがノックされた。
私は葉梨から離れようとしたが、それを中山さんが手で制して来訪者に返事をした。