ブランカ/Blanca―30代女性警察官の日常コメディ
テーブルの上にはバースデーケーキが置かれ、たくさんのボトル、グラス類、フルーツの盛り合わせが所狭しと並べられていて、それらを囲んでみんなでわいわいしている。
「それじゃ、カズマちゃんのお誕生日のお祝いを始めまーす!」
「ありがとー!」
「カズマちゃんはいくつになったのー?」
「二十四歳でーす!」
――ひと回り、サバ読んでる。
野太い声のバースデーソングが店内に響き、相変わらず胸を揉みしだかれている葉梨は仕事モードでやり過ごそうとしてキリッとした顔をしたが、そのせいで魑魅魍魎から野太い歓声が上がってしまっている。
隣の中山さんは皆と乾杯して機嫌良く飲んでいた。
本来は葉梨ではなく松永さんがいるはずなのだが、今回は松永さんがキャンセルしたという。
その話をした時の中山さんは少しだけしょんぼりしていたが、松永さんがキャンセルした理由が女だったから直ぐにキレ始めた。
「酷くね? 俺の誕生日だよ?」
――同期の誕生日と女、か。
「松永さんはたまに会うイイ女がいるそうですよ」
「マジで!? じゃあしょうがねぇな」
――納得するんだ。
中山さんは松永さんに自撮りを送ると言う。
私にあれこれ指示して私と一緒に撮った自撮りを松永さんにメッセージアプリで送ったが、開いたままのトーク画面を見ると、誕生日会の誘いとそれを断る松永さんのメッセージが目に入った。
『誕生日会やるから来て』
『いつ?』
『一月二十日』
『多分ムリだよ』
『やだ来てたっくんに会いたい』
『りっくんお誕生日おめでとう』
『明日は無理』
『行けなくてごめんね』
『わかった』
中山さんの誕生日は昨日だ。
松永さんは誕生日当日にちゃんとお祝いのメッセージを送っている。同期同士の仲の良さを垣間見て頬が緩んだが、送った画像に既読が付いたと思ったらメッセージが返ってきた。
『バーカバーカ!!』
『加藤に何してんだバーカバーカ!!』
メッセージに目を落とす中山さんは頬を緩ませている。
警察学校で苦楽を共にした同期は特別な存在だ。中山さんは葉梨が来てくれて嬉しそうにはしているが、松永さんもいたらもっと嬉しかっただろう。
「それじゃ、カズマちゃんのお誕生日のお祝いを始めまーす!」
「ありがとー!」
「カズマちゃんはいくつになったのー?」
「二十四歳でーす!」
――ひと回り、サバ読んでる。
野太い声のバースデーソングが店内に響き、相変わらず胸を揉みしだかれている葉梨は仕事モードでやり過ごそうとしてキリッとした顔をしたが、そのせいで魑魅魍魎から野太い歓声が上がってしまっている。
隣の中山さんは皆と乾杯して機嫌良く飲んでいた。
本来は葉梨ではなく松永さんがいるはずなのだが、今回は松永さんがキャンセルしたという。
その話をした時の中山さんは少しだけしょんぼりしていたが、松永さんがキャンセルした理由が女だったから直ぐにキレ始めた。
「酷くね? 俺の誕生日だよ?」
――同期の誕生日と女、か。
「松永さんはたまに会うイイ女がいるそうですよ」
「マジで!? じゃあしょうがねぇな」
――納得するんだ。
中山さんは松永さんに自撮りを送ると言う。
私にあれこれ指示して私と一緒に撮った自撮りを松永さんにメッセージアプリで送ったが、開いたままのトーク画面を見ると、誕生日会の誘いとそれを断る松永さんのメッセージが目に入った。
『誕生日会やるから来て』
『いつ?』
『一月二十日』
『多分ムリだよ』
『やだ来てたっくんに会いたい』
『りっくんお誕生日おめでとう』
『明日は無理』
『行けなくてごめんね』
『わかった』
中山さんの誕生日は昨日だ。
松永さんは誕生日当日にちゃんとお祝いのメッセージを送っている。同期同士の仲の良さを垣間見て頬が緩んだが、送った画像に既読が付いたと思ったらメッセージが返ってきた。
『バーカバーカ!!』
『加藤に何してんだバーカバーカ!!』
メッセージに目を落とす中山さんは頬を緩ませている。
警察学校で苦楽を共にした同期は特別な存在だ。中山さんは葉梨が来てくれて嬉しそうにはしているが、松永さんもいたらもっと嬉しかっただろう。