ブランカ/Blanca―30代女性警察官の日常コメディ
第36話 ブリーフと裏切りとペットボトルと
五月二十三日 午前十時四十三分
夜の特別任務に備えてワンルームマンションにいる。
六畳の部屋は大人が三人もいると狭い。
「うーん……」
私は中山さんに担がれているが、目の前にいる日焼けした松永さんは眉根を寄せ、腕組みをしながら中山さんを見ている。蛍光ピンクのブリーフ一丁で。
「六百八十」
昨夏、準備期間が少なくて体を仕上げられなかった私の為に設定体重を二キロ増やしてくれたが、松永さんと中山さんは私が千八百グラム増でやって来ると思っていた。
二キロ増えても対応出来るよう須藤さんを含む三人はトレーニングを重ねたのだから、加藤は空気を読んで二キロ弱に仕上げるだろうと思っていたという。
――そんなもの、先に言え。
夜の特別任務に備えてワンルームマンションにいる。
六畳の部屋は大人が三人もいると狭い。
「うーん……」
私は中山さんに担がれているが、目の前にいる日焼けした松永さんは眉根を寄せ、腕組みをしながら中山さんを見ている。蛍光ピンクのブリーフ一丁で。
「六百八十」
昨夏、準備期間が少なくて体を仕上げられなかった私の為に設定体重を二キロ増やしてくれたが、松永さんと中山さんは私が千八百グラム増でやって来ると思っていた。
二キロ増えても対応出来るよう須藤さんを含む三人はトレーニングを重ねたのだから、加藤は空気を読んで二キロ弱に仕上げるだろうと思っていたという。
――そんなもの、先に言え。