ブランカ/Blanca―30代女性警察官の日常コメディ
組織犯罪対策課のドアをノックして入ると、先ほどの彼が応対してくれたのだが、私を見て何とも言えない顔をしている。
「どうしたの?」
「あの、それが……」
須藤さんはどこにいるのだろうか。
私たちがスキップを終えるまで課長と談笑しているはずだったのだが、姿が見えない。
課員もなんとなく、挙動不審だ。
彼は話始めた。
この後、私を伴い飲みに行こうと誘う課長に、須藤さんは『加藤は松永家の三人に了承を得ないといけない』と言ったが、課長は挫けなかった。
課長は須藤さんより先輩にあたるからやんわりと断っていたが、双方がだんだんとヒートアップして、最終的には拳で解決する事になったという。脳筋あるあるだ。
だが、管理職になって運動不足の脳筋課長と、特別任務の為に体を作ってある四十歳の須藤さんでは勝敗は言うまでもない。
「うちの課長、応接室で伸びてます」
「んふっ」
私はそっと応接室を覗くと、須藤さんはソファに座っていた。
「お疲れ様です」
「お疲れ。聞いた?」
「はい」
「じゃ、帰ろっか」
須藤さんは立ち上がり、応接室を出て課員の前でこう言った。
「帰ります。課長によろしく伝えて下さい。課長をシメたい希望者がいるなら、教えます。どうします?」
そう言って笑いながらドアに向かった。
課員は立ち上がり、須藤さんに一礼した。見た感じ、少なくとも二人は希望者がいたなと思いながら、私も課員に一礼して課を出た。
「どうしたの?」
「あの、それが……」
須藤さんはどこにいるのだろうか。
私たちがスキップを終えるまで課長と談笑しているはずだったのだが、姿が見えない。
課員もなんとなく、挙動不審だ。
彼は話始めた。
この後、私を伴い飲みに行こうと誘う課長に、須藤さんは『加藤は松永家の三人に了承を得ないといけない』と言ったが、課長は挫けなかった。
課長は須藤さんより先輩にあたるからやんわりと断っていたが、双方がだんだんとヒートアップして、最終的には拳で解決する事になったという。脳筋あるあるだ。
だが、管理職になって運動不足の脳筋課長と、特別任務の為に体を作ってある四十歳の須藤さんでは勝敗は言うまでもない。
「うちの課長、応接室で伸びてます」
「んふっ」
私はそっと応接室を覗くと、須藤さんはソファに座っていた。
「お疲れ様です」
「お疲れ。聞いた?」
「はい」
「じゃ、帰ろっか」
須藤さんは立ち上がり、応接室を出て課員の前でこう言った。
「帰ります。課長によろしく伝えて下さい。課長をシメたい希望者がいるなら、教えます。どうします?」
そう言って笑いながらドアに向かった。
課員は立ち上がり、須藤さんに一礼した。見た感じ、少なくとも二人は希望者がいたなと思いながら、私も課員に一礼して課を出た。