ブランカ/Blanca―30代女性警察官の日常コメディ
今日、カラオケ店で葉梨からあの居酒屋の件を聞いた。私は今、岡島にそれを伝えても良いのだが、顔が見えない電話だと岡島の機微が分からない。
岡島は私を試しているのだ。ならば私だって岡島を試しても良いだろう。
「直くんに、会いたい」
「あっ……えっ……」
「会いたいの」
明らかに動揺するチンピラの顔を思い浮かべて笑いがこみ上げて来る。
岡島を騙すのはチョロい。
警察官なのに寄って来る詐欺女を見抜けず毎回騙される馬鹿に付ける薬は無い。私はそう思いながら、もう一度、言った。
「直くん、お願い……」
「えっ、あ……うん……」
――抹殺するチャンスがついに、やって来た。
私は笑いを堪えながら改めて連絡する旨を伝えて電話を切った。
岡島は私を試しているのだ。ならば私だって岡島を試しても良いだろう。
「直くんに、会いたい」
「あっ……えっ……」
「会いたいの」
明らかに動揺するチンピラの顔を思い浮かべて笑いがこみ上げて来る。
岡島を騙すのはチョロい。
警察官なのに寄って来る詐欺女を見抜けず毎回騙される馬鹿に付ける薬は無い。私はそう思いながら、もう一度、言った。
「直くん、お願い……」
「えっ、あ……うん……」
――抹殺するチャンスがついに、やって来た。
私は笑いを堪えながら改めて連絡する旨を伝えて電話を切った。