ノア様の愛のいじわる
憤っているわたしをチラッと見て、クスッと笑う野愛。
きっとその表情に気絶してしまう女の子だっているかもしれないほど整ったお顔を目の前にして、わたしはうっかり好きにならないよう必死だ。
「まあ瑠璃ちゃんがポンコツだろうと、この際どうでもいいんだけどさあ」
「……野愛って、どーしてそう人をイラつかせる天才なの??」
「瑠璃ちゃんが学校いねえとか、やっぱ無理かもなあ。俺」
野愛は机の上に散らばった資料を、大事なもののはずなのに、ぐしゃぐしゃに掻き回している。
ぜったいあとで弥生くんに怒られるよ……と思いながらも、なんだかんだきちんと仕事をこなしているであろう野愛本人に対して悪くは言えない。
「……ねえ、野愛」
「なに、ポンコツで素直じゃなくて小学生みたいな瑠璃ちゃん」
「……」
「うん、瑠璃ちゃんが無言なのはそこそこ怖いからね。ごめんごめん、怒んないで」
「……もう、ちゃんと聞いてよね!」