私に毒しか吐かない婚約者が素直になる魔法薬を飲んだんですけど、何も変わりませんよね?そうですよね!?
それとも用量を誤ったせいで誤作動を起こし、思っている事と反対の事を言うような魔法にかかってしまったと言うのだろうか?


「その方が納得ね⋯」


理解できない現状にドッと疲れた私はそれでもペンを取ってこの魔法薬を作ってくれた友人に現状報告と解決方法、また副作用などがあるかを確認する手紙を書いて直ぐに送った。


混乱する頭を整理すべく、私もその晩はすぐにベッドに潜り込む。

一緒に住んでいるとはいえまだ婚約者という立場から部屋だけは別々で。

「⋯明日の朝には、戻ってるといいんだけれど⋯」

なんてぼんやり考えながら、私はあっさりと意識を手放した。




カーテンから射し込む光が眩しく思わず呻くと、私に当たっていた光が何かに遮断される。


昨晩の混乱で余程脳が疲れていたのか、いつもなら朝は得意な方なのだがその時はもう少しだけベッドに入っていたくて。


「アニー、もう少しだけ⋯もう少しだけ寝かせて欲しいの⋯」

どうしても開かない瞼の重力に任せてそのまま瞳を閉じつつ懇願した私に聞こえてきたのは。


「いや、起きろ」
「!!!」
< 12 / 45 >

この作品をシェア

pagetop