俺の好きな人【完】


俺の言葉に、良かった、ってまた笑顔をこぼして女の子らしい花柄の傘を手に持って俺の横に並ぶ


それだけでふわっと香りってくる神橋さんの香りに息を呑む


「意外と私たち家近いんだよね」


嬉しそうに微笑んで傘をさす、神橋さん



「そういえば、隣の中学だもんな」


家だってきっとそれほど離れた距離ではないはず。


精一杯腕を伸ばして、傘をさしてくれる神橋さんがどうしようもなく可愛くて


そういえば神橋さんとこうやってならんで歩くことなんて初めてだから、けっこう身長差があるんだな



「傘、俺が持つよ」


手を差し伸べると、



「ダメだよ!平くん優しいから私に傾けて歩くでしょ?」


ぷいっと傘を持つ手を遠ざけられてしまった



「…でも、身長差的に俺が持つしかないと思うんだけど。神橋さん全力で腕伸ばしたまま傘ささないといけないよ?」


だいぶつらいと思うけど。
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