俺の好きな人【完】
さすがに明日までには渡さないとやばいな。
もちろん好きな人には嫌われたくないし
「なんで、そんなに毎日忘れちゃうのさぁ。…連絡しようか?」
怒りながらもそんな提案をしてくれる神橋さん
それは名案だ。
連絡取りてーもん
「優〜いるか〜?」
教室の入り口からどこか聞き覚えのある声がして視線を向けると、そこに立っていたのは岩永だった。
サッカー部で焼けた小麦色の肌に、きちんと着こなされている制服。今日も爽やか全開
…どうやら神橋さんに用があるらしい
「あ、ちょっとごめんね」
「おう。」
恥ずかしそうに少し顔を赤らめて岩永のほうへ走っていく。
…優って普通に下の名前で呼ばれてんだ
やっぱり俺なんかより全然仲良いみたいだな。
あー…まじかよ。
「どうしたのー?」
「これ、昨日言ってた漫画!」
白い歯を見せて笑う岩永の手には最近話題の人気漫画