俺の好きな人【完】
みんなが続々と帰っていき、教室には2人きり
やっと決まったメッセージの内容に、ポールペンを画用紙の上で動かし始てたとき、
「平くんって字綺麗だよね」
俺の字をじっと見てそう呟く神橋さん
「そうかな?神橋さんの字も綺麗じゃん」
いつも綺麗だなって思う。
好きな人の字ってなんか見てしまう。
「…私の字知ってるの?」
きょとんとした顔で詰められて、まずいと冷や汗をかく
「…うん、ノート集めたりした時に綺麗だったから覚えてる」
「そっかぁ、なんか嬉しいなぁ」
上品に微笑む神橋さんに、思わず見てれてしまう
心臓がバクバクいって、うるさい。
「…神橋さん、髪結構切ったよね」
今なら言える気がする
「うん、ずっとロングだったからなんか変な感じ!」
「…似合ってるよ」
そのボブにした髪型も、最近し始めたメイクも
「え!?あ、ありがとっ」
あまりにも話の脈絡がなさすぎたのか、驚いた表情をされてしまったけど。