俺の好きな人【完】
放課後
委員会に行った神橋さんを待っていた
グラウンドから聞こえる野球部の掛け声、廊下で騒ぐ女子の声、カップルが手を繋いで帰る姿
…俺は今から神橋さんに告白する
もう心臓がうるさくて、どうしたらいいかわからないけど、決めんだ。
「た、平くん…」
委員会が終わったのか荷物を取りに教室に戻ってきた神橋さん
分かりやすく気まずそうな顔をされるけど、今日は折れない
「まだ残ってたんだね…!」
こっちをチラリとも見ずに、急いで荷物をまとめている様子だった
「神橋さん」
そう呼び止めても、目は合わない。
…神橋さんの好きな人が俺だったらどんなに良かっただろう。なんだってするのに。
話しかけようと、自分の席を立ち近づいていく
「じゃあ、私帰るね!」