俺の好きな人【完】
「ほれ。」
向けられたスマホの内カメラに映るのは、ありえないくらい爆発してる自分の髪型
「うわ、まじじゃん…最悪、」
ワックスって、走ったりするとこんなふうになんのかよ!?
ああ、せっかく神橋さんにかっこよく思われたくて朝から頑張ったのに…
「てか珍しいなお前がセットしてくるなんて。いつも寝癖のままなのに」
げっ、変なとこついてくんなよ。
「…気分だよ」
「へー、怪しい〜」
こいつこういう時はやけに鋭いからほんと侮れねえ。
神橋さんへの想いはまだ玄太には言ってない。ぽろっと口を滑らされでもしたら俺の人生が終わるし。
そんなこんなしていると担任が教室に入って来て、いつも通りホームルームをして、授業が始まった。