花縁~契約妻は傲慢御曹司に求愛される~
「本当にいいの……?」
「それは俺の台詞」
相好を崩した葵さんが私のこめかみにキスを落とし、ゆっくりと下がった唇が私の唇に重なる。
彼との初めてのキスに心が大きく波打つと同時に、傾けられた顔の輪郭さえも綺麗で見惚れてしまう。
「目、閉じて」
ゆっくり瞬きを繰り返した葵さんが、吐息の触れる距離で甘い命令を発する。
小さな息を漏らした私の唇を宥めるように舌で触れ、耳の後ろに長い指を差し込んで後頭部を引き寄せる。
どんどん深まっていく長いキスに翻弄され、頭の中が真っ白になっていく。
こんなに心がかき乱されるキスは経験がない。
「……可愛いな」
唇を軽く触れ合わせたまま、つぶやく。
ハッとして身をよじるがすぐに再び塞がれ、足の力が抜けていく。
崩れ落ちそうになる前に横抱きにされて、エレベーターを降りた。
「あ、歩けます……!」
「大丈夫だから、おとなしくしていて」
まるで子どものように私をあやした彼はフロアにひとつだけあるドアへ向かう。
ドアの前で降ろされ部屋の中へと誘われる間、エレベーター内のキスに溺れた羞恥心でいっぱいだった。
「カメラには映っていないよ」
ドアが閉まった途端、私を抱きすくめた葵さんが面白そうに告げる。
「ほかの人間に見せるわけがない」
長い指が私の顎を掬い上げて頬に唇が触れる。
恋人のような親密な触れ合いに心が大きくざわめいて、どう振舞えばいいかわからない。
「それは俺の台詞」
相好を崩した葵さんが私のこめかみにキスを落とし、ゆっくりと下がった唇が私の唇に重なる。
彼との初めてのキスに心が大きく波打つと同時に、傾けられた顔の輪郭さえも綺麗で見惚れてしまう。
「目、閉じて」
ゆっくり瞬きを繰り返した葵さんが、吐息の触れる距離で甘い命令を発する。
小さな息を漏らした私の唇を宥めるように舌で触れ、耳の後ろに長い指を差し込んで後頭部を引き寄せる。
どんどん深まっていく長いキスに翻弄され、頭の中が真っ白になっていく。
こんなに心がかき乱されるキスは経験がない。
「……可愛いな」
唇を軽く触れ合わせたまま、つぶやく。
ハッとして身をよじるがすぐに再び塞がれ、足の力が抜けていく。
崩れ落ちそうになる前に横抱きにされて、エレベーターを降りた。
「あ、歩けます……!」
「大丈夫だから、おとなしくしていて」
まるで子どものように私をあやした彼はフロアにひとつだけあるドアへ向かう。
ドアの前で降ろされ部屋の中へと誘われる間、エレベーター内のキスに溺れた羞恥心でいっぱいだった。
「カメラには映っていないよ」
ドアが閉まった途端、私を抱きすくめた葵さんが面白そうに告げる。
「ほかの人間に見せるわけがない」
長い指が私の顎を掬い上げて頬に唇が触れる。
恋人のような親密な触れ合いに心が大きくざわめいて、どう振舞えばいいかわからない。