花縁~契約妻は傲慢御曹司に求愛される~
身をよじるも、片手はしっかり指を絡ませて押さえられ、足の間には彼の体があって逃げ場がない。

体の奥深くが熱くてとろけそうで、眩暈がする。

胸の谷間と下をいたずらに吸い上げられ、小さな痛みがはしった。


「肌が白いから綺麗につくな」


口角を上げる彼からは抗えない色香が漂う。

その後も私の胸を弄びながら、お腹、おへそ、と順番に口づけ、時折赤い花を咲かせていく。


長めの前髪を鬱陶しそうにかき上げ、私を見つめる目には愛欲が宿っていた。


私を求めてくれているの……?


快感を逃がすために少しだけ体をひねる。

すると、絡ませた指をほどいた葵さんが手早くスカートとストッキングを脱がせていく。

最後に下着も取り払われ、ビクンと体を竦ませるとあやすように告げた。


「怖がらせたり、嫌な真似はしない。逢花はただ感じていて」


私をうつぶせにした彼は背骨を辿るようにキスを落とし、背後から胸に触れる。

強い刺激に思わず半身を起こすと、腰から胸を撫で上げられて、敏感になりすぎた肌が震える。

吐く荒い息さえも自分のものではないようだ。


私を再び仰向けにした葵さんは、シャツやズボンを大胆に脱ぎ捨てていく。

細身だけれど、綺麗に筋肉のついた男性の魅力に溢れた体に視線を奪われ、思わず起き上がって指でそっと触れると、指先を甘噛みされた。

一糸まとわぬ姿で抱き合うと、彼の体温と香りが直接伝わって一気に体温が上昇していく。
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