花縁~契約妻は傲慢御曹司に求愛される~
葵さんと過ごした夜から半月以上が経った。
振り返らないと決めたのに、優しく触れる指先と情熱的な口づけ、力強い抱擁を何度も思い出してしまう。
凛はもの言いたげにしていたが、追及せずにいてくれた。
そんな私たちが最近、同時にため息を吐く出来事があった。
「逢花に招待状を手渡すなんて! しかも挙式から参加してほしいですって?」
社員食堂で、凛が文句を口にする。
私たちは時間があえばいつも一緒に昼休憩をとっている。
結婚式に、私は招待されないと思っていた。
ところが二週間くらい前に久喜から突然招待状を渡された。
どうやら直前まで私を招くか笠戸さんは思い悩んでいたそうで、可愛い新妻の憂いを取り除くべく行動したらしい。
ちなみに凛は久喜とともに仕事をする機会が多いため、最初から招待されていた。
課のほぼ全員が出席するため、断れずイライラしていたのは記憶に新しい。
「絶対逢花を連れてきてくれなんて頼んできたのよ! 失礼すぎるわ!」
「凛、ごめんね。巻き込んで」
「なんで逢花が謝るの、最低なのはあっちでしょ。こうなったら思い切り着飾って見返してやるわよ!」
エビフライ定食を完食し箸を置いた凛が、両こぶしを握って意気込む。
振り返らないと決めたのに、優しく触れる指先と情熱的な口づけ、力強い抱擁を何度も思い出してしまう。
凛はもの言いたげにしていたが、追及せずにいてくれた。
そんな私たちが最近、同時にため息を吐く出来事があった。
「逢花に招待状を手渡すなんて! しかも挙式から参加してほしいですって?」
社員食堂で、凛が文句を口にする。
私たちは時間があえばいつも一緒に昼休憩をとっている。
結婚式に、私は招待されないと思っていた。
ところが二週間くらい前に久喜から突然招待状を渡された。
どうやら直前まで私を招くか笠戸さんは思い悩んでいたそうで、可愛い新妻の憂いを取り除くべく行動したらしい。
ちなみに凛は久喜とともに仕事をする機会が多いため、最初から招待されていた。
課のほぼ全員が出席するため、断れずイライラしていたのは記憶に新しい。
「絶対逢花を連れてきてくれなんて頼んできたのよ! 失礼すぎるわ!」
「凛、ごめんね。巻き込んで」
「なんで逢花が謝るの、最低なのはあっちでしょ。こうなったら思い切り着飾って見返してやるわよ!」
エビフライ定食を完食し箸を置いた凛が、両こぶしを握って意気込む。