クールな君の甘さを知れば【※表紙絵変更しました】
揺らめいて、離さない side長谷川 湊
「じゃあ、各々時間は気にせず。風呂上がってきたらこの自販機前に集合ってことでいいな?」
「うん!はぁ〜…温泉楽しみだなぁ」
「ねっ。露天風呂とか、パンフ見る限りすごく綺麗だったし」
「…お前らのぼせんなよ?」
「「はーい」」
「ってことで、一旦解散」
その掛け声で、男女2組に別れてのれんをくぐる。
俺は、上手く演れているだろうか。
いつも通りの自分でいられてるかたまに不安になる。
“2人”が陶器屋から出てくるときに見た固く結ばれた手。
幸せそうにこぼれんばかりの笑みをこぼす古賀と、その隣で優しく微笑む九条先輩。
そこに入れるような隙間は1ミリたりともなくて。
「…コインロッカー制か。長谷川くん、小銭持ってきてる?」
「あぁ…持ってきてます。先輩は?」
「忘れたんだよな、これが。…ごめん、貸してもらえる?」
「いいですよ、別に。これくらい」
「あとでコーヒー牛乳でも奢るわ」
「気にせんで下さい。あ、でもフルーツ牛乳がいいです」
「ははっ、いーよなんでも」