クールな君の甘さを知れば【※表紙絵変更しました】

それもそうか。



なんてったって、自分の彼女を好きな男と一緒に裸の付き合いなんだから。



それは俺も同じだけど。



片思いをしてる相手と2人で温泉とか、なかなかな気がする。



ガラガラと立て付けの悪い扉を開けると、中の空気と一変して体がひんやり冷たくなって。



なんだか頭がすっきりしていくような、そんな感覚がした。



良くも悪くも俺たち以外の客は皆大浴場にいるらしいが、一応マナーとしてゆっくり浸かる。



それと同時に体が軽くなったけれど、心は重く沈んでいく。




「…中と違って熱めなんだな」



波紋が広がっていく中肩まで浸かったところで、九条先輩がボソッと呟いた。



少し離れて斜め向かい側。



タオルを押さえた九条先輩は、誰に言うでもなく独り言ちる。



……余裕かよ。



気持ちよさそうに温泉を満喫し始めているようで、なんか少し…ほんの少し、ムカついたから。



「…九条先輩は、いつから古賀を好きだったんですか?」



「………は、?」



勢い余って爆弾を落としてしまった。



素っ頓狂な声を上げた九条先輩の顔は、今日見た中で1番間の抜けた顔をしていて。
< 108 / 112 >

この作品をシェア

pagetop