クールな君の甘さを知れば【※表紙絵変更しました】
それもそうか。
なんてったって、自分の彼女を好きな男と一緒に裸の付き合いなんだから。
それは俺も同じだけど。
片思いをしてる相手と2人で温泉とか、なかなかな気がする。
ガラガラと立て付けの悪い扉を開けると、中の空気と一変して体がひんやり冷たくなって。
なんだか頭がすっきりしていくような、そんな感覚がした。
良くも悪くも俺たち以外の客は皆大浴場にいるらしいが、一応マナーとしてゆっくり浸かる。
それと同時に体が軽くなったけれど、心は重く沈んでいく。
「…中と違って熱めなんだな」
波紋が広がっていく中肩まで浸かったところで、九条先輩がボソッと呟いた。
少し離れて斜め向かい側。
タオルを押さえた九条先輩は、誰に言うでもなく独り言ちる。
……余裕かよ。
気持ちよさそうに温泉を満喫し始めているようで、なんか少し…ほんの少し、ムカついたから。
「…九条先輩は、いつから古賀を好きだったんですか?」
「………は、?」
勢い余って爆弾を落としてしまった。
素っ頓狂な声を上げた九条先輩の顔は、今日見た中で1番間の抜けた顔をしていて。